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​公開日:2022/08/31

2022年8月22日、私たち実行委員取材班は「ちゅ~ぺっと」へ取材にいき、団体についてと今回の京都学生演劇祭2022公演の意気込みなどについて、代表の赤井野々華さんに話を聞いた。

​「ちゅ~ぺっと」とは

​​ーーよろしくお願いいたします。まず簡単に団体の紹介をお願いします!

 そもそも「ちゅ~ぺっと」って団体が私1人の団体で、高校生の時に旗揚げしたんです。基本的に私がその作品ごとに、この人と一緒に作品作りたいなって方々と作っています。今回の座組は主に近大生で作っているんですけど、役者の皆は高校演劇のときに出会った「この人演技素敵やな」と思う人を集めた感じです。スタッフは結構今までやったことないっていう子も多くて、これを機にいろんなスタッフとか演劇を好きになってほしいなって思っています。

​​ーーおひとりで中心になってされてるということは、もうプロデュースみたいな形ですか。

 そうですね。私が、役者とかスタッフ選んで、脚本書いて演出していますね。

​​ーー団体自体はおひとりということですが、座組を組むときの年齢層ってどんな感じなんですか。

 そうですね。今回は、福西さんと、あともう1人照明補佐のさとうりおさん以外は全員同い年の大学1年生です。私は主に小劇場で活動をしているので、大人の方と関わることももちろんあって、結構年齢層はバラバラであるんですけどなるべく若手っていう枠ってさせてもらっています。

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代表の​赤井野々華さん

​​ーー劇団名を「ちゅ~ぺっと」にした由来は何でしょうか?

 夏よく食べるチューペットってひんやりしてて美味しいけれど、すぐ溶けてドロドロになってしまう「時間の残酷さ」が出てるなぁと思ってて。ピンクの可愛い色をしてひんやりしてる見た目からは想像できない、ドロドロな何かがあるというイメージや、「今私にしか書けないこと」を書いていきたいってことで「ちゅ~ぺっと」にしました。

​​ーーこの劇団で作っていきたい作品のイメージはありますか。

 当初の目的としては、高校生にとって小劇場の敷居を下げたり、学生演劇以外で演劇をできる場所を提供したいなって思って劇団を立ち上げたんです。

作風は、「かわいい」と「ピンク」と「イタい」が一番似合う劇団でありたいと思っています。今回の作品は案外そうでもないんですけど、基本美術が結構ピンクピンクしててかわいい衣装を着せたりとか、女の子の方が多かったりします。女の子の「かわいい」を考えて書くことが多くて、今の私にしか書けないものを書いていきたいなぁと思っています。

​​ーー劇団のアピールポイントを教えてください。

 今回の座組のアピールポイントは、基本的にビジュアルがとても整った方が多いところですね。高校のときに書いてた作品でも、ビジュアルとか容姿に対しての作品が多く書いていて、脚本の中でも、ルッキズムみたいな単語をよく出したりしています。兎に角、今回の座組のアピールポイントは、みんなの顔がいいです。

​​ーーすごい仲良しですね。

 仲はいいですね。私と、福西さんと、演出補佐の誠くん以外は、全員近大の舞台芸術学科、そもそも学科がずっと一緒なので仲良しっていうのはあるとは思います。

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​​ーー他にもアピールポイントというか、特徴って何かありますか。

 みんな、自分の中でのちゃんと演劇に対する考えの軸を持ってるなと思ってて、その脚本演出してる私ももちろんそうですし、役者もスタッフもみんな演劇が好きで、将来どうしていきたいとか、どう関わっていきたいかとか、何か自分はこうこうこういう意思があって演劇してるんだっていう考え方がすごいちゃんとしっかりしてるところですね。アピールポイントというか、うちの座組のいいとこだと思います。

​​ーーやっぱりそういう気持ちがある方がいいですか。

 お互いやりやすいやりやすいと思います。毒づいた発言とか、「これは面白くない」ってことを言っても、ちゃんと受け止めてくれたり、何か改善点を自分たちで考えてくれるので、すごい役者たちだなと思っています。

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​今回の上演について

​​ーーありがとうございます。今回の上演作品について、京都学生演劇祭に参加するきっかけは何だったのでしょうか。

 実行委員の方からDMでお誘い頂いたのがきっかけですね。元々学生演劇にあんま関わるつもりではなく、小劇場メインでやろうかなと思ってたんです。でも、せっかくお誘い頂いたし、京都学生演劇祭の野外でするってところに、昨年からずっと興味はあって、すごい面白い取り組みをしているなぁと思ってたので、参加させてもらおうと思って。

​​ーーでは、テント舞台とかにも関心があるんですか。

 面白いことしてるなみたいな。固定化されてるというか演劇の形がしっかりもしている中で、いろんなことに取り組んだり、新しいことを考えてるのってすごくいいことだと思っています。

​​ーー今回の作品の見どころを教えてください。

 45分間で役者が3人しか出ないんですけど、3人のうち1人は絶対に舞台にいなくて、会話をメインにして一対一の会話に重心を置いているところですね。舞台美術も派手ではないし、音響・照明も派手じゃなくて、完全に役者とセリフで魅せていくっていう舞台になってるので、その役者の会話の呼吸であったり、リズム感であったり、セリフ一つ一つをぜひ皆さんには見て頂きたいです。

​​ーーその分、稽古もすごく大変じゃないですか。

 そうですね。役者が頑張ってくれてます。役者は私のイメージを咀嚼してきてくれって、この場に持ってきてくれるので、本当に役者がすごいなと思ってます。

​​ーーさっきのお話にもあった、演劇に対する姿勢があってこそなんですかね。

 そうみたいです(笑)

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​​ーーこの演劇祭をどんな公演にしていきたいですか。

 自分の作品がどうこうとかじゃなく、コロナ禍になって、演劇とコロナの関係性がすごく難しいなあと思って。規制も多いし、延期とか中止とかもある中で、それでも演劇をするっていう選択を取ってる人たちは、演劇が本当に好きで、演劇っていう文化を終わらせたくないなって思ってやってる方が多いと思うんです。今後もやっぱコロナ続いていくだろうけど、学生演劇も含め、演劇が発展していくっていう未来がちゃんと見えるような演劇祭になればなぁとは思っています。

​​ーーやっぱり演劇が好きだからそういう言葉が出てるのがすごく伝わってきます。

 今回初めて有観客で舞台を打たせて頂けることになって、旗揚げしてから全作品コロナで流れてしまっていたので、やっぱり本番を無事に迎えられるのがすごく嬉しいです。何回もコロナで作品が流れても、それでも演劇をしたいって思う気持ちは、すごく尊いものだと思うんです。この状況で演劇を辞めていかれる方もいらっしゃるのは知っています。でも、そういう方も、演劇が好きだからこそそういう判断を取らざるを得なかったなっていうのもあると思っていて、すごく難しいなと思いながらこの4年間取り組んでいましたね。

​​ーーでは、最後にお客さんに一言お願いします。

 演劇を今している方も、演劇をいろんな形で辞めてしまった方も、演劇をずっと応援して下さっている方にも観てほしい作品です。演劇に関わる全ての人たちが、演劇をするのが難しいこの状況の中で、演劇を好きでいてくれてることに対して、すごい感謝しているんです。そういう気持ちも含め、全ての演劇が好きな方に観てほしい作品だと思っておりますので、頑張っていきます!

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​取材を終えて

 活気溢れる稽古場だった。取材を通じて、メンバー同士の仲も良さや、座組メンバーそれぞれが、演劇に対する熱い思いを持っているのがよく伝わってきた。

 ちゅ~ぺっとの上演は、Bブロックの3番目で、9/10(土)、9/13(火)、9/16(金)に行われる。

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