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​公開日:2022/08/26

2022年8月14日、私たち実行委員取材班は「劇団 片羽蝶」へ取材にいき、団体についてと今回の京都学生演劇祭2022での公演についての意気込みなどを聞いてきた。

​「劇団 片羽蝶」とは

​​ーーよろしくお願いいたします。まず自己紹介をお願いいたします。

 劇団片羽蝶の主宰で脚本・演出・音響をやっております西島輝です。よろしくお願いいたします。

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​​ーーではまず団体についてお聞きしたいと思います。団体を旗揚げされた歴史や団体の紹介をお願いいたします。

 そうですね。コンセプトはシンプルで、僕が自分の作品を作ってそれを形にしたいっていうところが根源にあります。

 WINGCUP2020※で旗揚げをしまして、紆余曲折があったんですけども、そこで脚本賞をいただきました。それもモチベーションの一つでもありますし、単純に僕がまだまだ作品を作りたいなという思いで今回の京都学生演劇祭にも参加させていただいた所存です。

(※注:大阪のウイングフィールドで開催される若手劇団を中心とした演劇祭。)

​​ーー今一緒に活動しているメンバーの数を教えてください。

 はい。役者の方が3名おりまして、裏方が5人、トータル8人です。

ーー劇団名「劇団 片羽蝶」の由来は何でしょうか?

 片羽蝶の由来ですか。一応昔意味は考えてたんですよ。蝶がアイデンティティである羽をもがれた結果、何か新しい別のアイデンティティが誕生するのではないか…っていう建前をたててたんですけど、ほんとを言えばですね、結構その場のノリで決めまして(笑)

 僕のやってるゲーム「エースコンバットZERO」で「片羽の妖精」っていうすごいかっこいいキャラがいるんですけど、そこからとりました。

ーー格好いいとおもいます!普段はどのような公演を行ってらっしゃいますか?

 そうですね。僕は本当に…自分で自分のことをコミカルっていうのもあれですけど(笑)

本当に「お前の性格からこんな綺麗な作品ができるのか」ていうぐらい丁寧な会話劇を作っています。

 主に男女の、恋愛まで行かないけれど友達以上っていう不思議な感じ。それを描いたりしてます。

ーー今までの上映作品について少し教えてほしいです!

 「モノクロ上の空」をWINGCUPさんにて上演しました。

これは現代社会に疲れてしまった社会人の女性が精神病院に入院するんですけれども、そこで写真が純粋に好きな少年と出会って、そこからまた女性も写真を好きになっていって。そこの医者さんだったり、その少年だったりの人間関係が絡んでいって、最後は希望を持って終わります。「やまない雨はない」みたいなプラス思考のものをやりました。当時コロナ情勢だったんで、こういう作品を作るとウケがいいんじゃないかっていうやましい思いもあったんですけど(笑) 単純に希望を持った綺麗な作品って感じです。物語を作るにあたって、「脇役がいない、全員が主人公」という状態になることは意識しました。

ーーこの団体の一番のアピールポイントは何だと思いますか。

 (即答で)稽古場の雰囲気だと思います。(笑)

僕やっぱり作品を書いてますから、自分の作品にも自信があるっていうのも当然そうなんですけれども、でも僕自身は役者も裏方も滅茶苦茶知識があるってわけではなくて。ただ脚本が、さっきのところで賞をいただけたのもありますし、講評をされた方が「脚本はいいものを持ってる」って言ってくださったんです。ただ当時演出が右も左もわからなくて、年上の方から教えてもらいながらやってました。もう寄ったりすがったりでなんとか続けていったってかんじで。

 だから演出には少し自信がないんですけど。印象的だったのは、1ステ目か2ステ目だったかな…終わった後に見ず知らずのお客さんから「本当にいい話でした、よろしかったら脚本送ってください」っていわれたんですけど、それがもう本当に嬉しくて。脚本書いてよかったなって思いました。稽古場の雰囲気は、僕が単純に稽古場が重すぎたら楽しくないっていうのがあって。僕が真剣にやりすぎると頼りないかなと思うので、ちょっとふざけて笑わないと耐えられないんです。あとはどうせやるなら楽しくやりたいじゃないですか。そういうのがあって意識的に盛り上げています。

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ーー学生演劇にしかない良さってなんだと思いますか?

 学生演劇にしかない良さ…僕に当てはまるか分からないんですけど、挑戦する心がすごくあるんじゃないかなって思います。偏見で申し訳ないんですけど、ベテランの方ってある程度型にはまってきている人が多いんじゃないかなと。学生だったら、今までにないものを俺たちが作ってやるぜっていう、「若さ」っていうんですかね。あんまりこの言葉好きじゃないんですけど(笑)、「今までにないものを見せてやる!」っていうパワーはすごいと思うので、そこが学生が主体になって動いている作品や団体の良いところなんじゃないかなと思います。

 あとは行動力がすごいんじゃないですかね。色んな所に声を掛けたりとか。

ーー学生さんが演劇をやる中であるあるだと思うんですけども、勉強とかバイトの両立とかはどうでしょうか。

 あ、ちなみに勉強なんですけど。僕は前回の第1回公演の方で、後期の単位のほうを…

当時コロナ真っ只中で映像授業だったんで、「なんとかなるだろう」と思ってたんですけど。でも劇団やってみたらめちゃめちゃキャパ多くて、稽古場考えたり制作とか演出とか宣伝とか連絡とか…。もう本当にパンクしちゃって。

 バイトない日は家で、こう(布団をかぶり天井を見つめるポーズ)起きたくないって感じで授業に出られなくて。それで後期の単位がポーンと飛んじゃって。無事留年しました。はい。

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 でも当時は、演劇をして一つの公演を成し遂げるっていうことが僕にとって一つ人生の大事なことだったので、それでいいかなと思ってたんですよ。

 けど、親の立場になってみると罪悪感がえぐいので…。父親母親には全力で謝りました。なんであの、留年はしないことをおすすめします。マジで学業は捨てちゃダメ。そのためにも大人数で分担して、負担が少ないやり方をすることに越したことはないんじゃないかなと思います。

ーー他にもアピールポイントはありますか。

 団体のアイコンあるじゃないですか。あれ、僕の手書きです。よく見て頂いたら分かるんですけど、ノートの線が入ってるんですよ。(笑) なぜかっていうと、俺の団体だから、みたいな。誰が何と言おうと僕の団体だぞという。知り合いに映像っていうか、イラストとかたまに作ってくれる人がいるんですけど、「片羽蝶のイラストこんなんにしたらどう~」と作ってくれたんですけど、いや、違うなと。俺が書いたからいいんだみたいな。申し訳ないんだけど、そういう謎のこだわりがあったりしますね。

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ーー主宰直筆ってことですね。

 そう。実質俺のサイン(笑)

​今回の上演について

ーーでは今回の上演についてお聞きしていきたいと思います。

今回演劇祭に参加してくださるということで、きっかけというのはあったのでしょうか?

 前回の公演が1年前、2021年の2月にやったんですけど、そっからちょっと勉強で演劇を休んでて。今年の3月に役者をやって、「やっぱ演劇面白いな」てなって。調べたら京都学生演劇祭ってのがありました。

 あと、結構演劇やってらっしゃる先輩に言われたのが、地域ごとによる舞台の雰囲気の差異っていうんですか。京都は緻密で足踏みしているような会話劇の風潮があるから、作品が結構合うんじゃないかという話を聞きまして。なので結構合っているんじゃないかなと。後は夏なので出てみようかなという感じです。僕の出身は兵庫なのでよくわからない感じですね(笑)

ーー今回の演劇祭で楽しみたいことはありますか?

 そうですね。まずは自分の作品を楽しみたい。演劇祭で見せるために、自分のできる最高の形を作っているので、それを作る過程を楽しみたいかなと思います。どう完成していくのかも楽しみですし。

 あとはいろんな団体の方がいらっしゃるので、彼ら彼女らの作品も楽しんでみたいです。刺激になるだろうし、おもしれーってなると思うので。あとは僕の作品が褒められる事です。(笑)役者でもいいし脚本でもいいし演出でもいい、なんか俺の作品褒めてくれと。気持ちいいので。

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ーーどんな演劇祭にしていきたいですか?

 作品を深く味わっていただきたい。せっかくいろんな団体のいろんな作品が一気に見られるのでそれら一つ一つをお客さんにじっくり見て頂きたい。野外というのはインパクトが強いので、そういう京都学生演劇祭の雰囲気や特色があると思います。他にも「毎日チラシ」やこのような取材などの企画が結構ありますし、そういうところから分岐してもっともっと知られてほしいなと思います。

ーーありがとうございます。最後にお客さんに一言お願いします。

 褒めてください。…いやこれ違うかな(笑)何でもいいです。脚本でも照明でも音響でも、舞台でも役者でもいいので褒めてください。そして楽しんでください。僕の作品はゲラゲラ笑うコメディ!って感じではなくて、どっちかというと全編通してシリアスなんですけど、西島の脚本とそれを引き出す役者、演出、音響、照明などなどを楽しんでいただきたいと思います。

​取材を終えて

​ 今回、稽古の取材へ行ってみて、稽古中と休憩時の温度差に驚いた。稽古中のヒリヒリするような圧迫感や、助けに入っていきたくなるような悲壮感とは真反対に、休憩時は和ましく感じ、楽しい取材となった。

 劇団 片羽蝶の公演はAブロックの3番目で、9/9(金)、9/15(木)、9/17(土)に上演される。

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