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参加団体講評
京都学生演劇祭2025では、参加団体がそれぞれ推薦団体を選出しました。
以下に、その講評文を掲載します。

 

🦑劇団洗濯氣 による推薦:演劇ユニット くじら74号
この団体を選んだ理由は、作品の構成やテーマがとても印象的だったからです。演劇は三つの時間軸で進み、一つ目が主人公の高校時代、二つ目が大学時代、三つ目が演劇祭の舞台という構成でした。最初はーとニがつながっているだけだと思っていたのですが、友達が主人公を演劇祭に誘うシーンで、今見ている演劇そのものが三つ目の時間軸だと気づいたとき、鳥肌が立ちました。また、主人公が「演劇以外では自分を表現できない」と語る場面を見て、自分を表すにはもう演劇しかないという意思を感じました。今の時代は派手な演出が好まれがちですが、この作品は「過去の出来事」や「心の内面」を丁寧に表現しており、現代社会に対するメッセージ性も感じました。特に、主人公の彼氏が社会を象徴する存在として描かれていて、主人公との対比がとても分かりやすかったです。

🦑演劇ユニット くじら74号 による推薦:劇団,白薔薇
どの作品も素晴らしく甲乙つけがたかったが、演出・演技の両面で優れていたと感じた劇団,白薔薇さんを推薦したい。
演出面では、シンプルな舞台装置と照明で魅せつつ、緻密な台詞の積み重ねによって作品が立ち上がっていく様子が印象的であった。特に、煙草の煙が天井へと昇っていく光景は圧巻である。また、「喫煙所を少し遠くから見ている」という客席と舞台との距離感も心地よかった。
演技面においては、役者の皆さんが自然な演技を保ちながらも、煙草を吸うペースや間合いが緻密に計算されているように感じられ、演技力の高さと稽古量の豊かさがうかがえた。

🦑劇団深夜特急 による推薦:灯座
そうめんを使ったり、客席を巻き込んだりと奇抜なアイデアが多く、いい意味で自分の中にあった「演劇とはこういうものだ」という考えを壊された。わかりやすい物語で、劇団内で見ていて楽しかったという感想が多かった。

🦑劇団ACT による推薦:灯座
一番「祭」という趣旨に沿っていて、尚且つライブ感満載の演出は時間を忘れて身入ることができました。
既視感こそあるのに奇抜という印象が被さってきて、子供心を擽られる良い機会でした。

🦑劇団未必の故意演劇 による推薦:演劇ユニット くじら74号
私たちが演劇ユニット くじら74号を推薦した理由は以下の3つです。
まずひとつに、脚本構成の巧みさです。
この作品の中では、「京都学生演劇祭」という単語が出てきます。その単語がそのまま提出された瞬間に、舞台上の人物は現実の人物と混濁され、観客も現実の存在として描出されたことに、観客自身が気づくことのできる仕掛けになっています。現実と舞台上のフィクションを入れ子構造にして意図的に混濁することで、これまた現実のものである戦争にまつわるテキストがよりくっきりと実体をもつような効果を発揮していると感じました。
ふたつに、紙を使った演出の多様さです。
この舞台には紙がたくさん出てきます。台本として、記憶として、客席の頭上を飛ぶ紙飛行機として、etc...。紙というシンプルかつ日常的な素材を、具体的にも抽象的にも見せていく演出に粋を感じました。その中でももっとも印象的だったのは、紙をぐしゃっと握りつぶすような演出です。被爆を描いた原民喜の詩を朗読しながら、紙を握りつぶすシーンがありました。ここで表現されていたのは人間が、紙きれのように死んでいくさまであり、顔も名前もあるはずの人間が戦争においては、ただの死体の数になっていくというある種のあっけなさとそのむなしさであると感じました。ただの人、ただの死体、ただの紙。紙がぐしゃっと音をたてて丸められるたびに、あの日広島で亡くなった、人間たちのことを思いました。
みっつに、舞台上で現実の話をする度胸と切実さです。
先に述べたように、京都学生演劇祭、広島、戦争、原爆といった言葉が、舞台上のフィクションのものとしてではなく、現実に存在するそれぞれの事物として提示されます。そこにあるのは力強い現実であり、それをそのまま舞台上で構成するという手口にある種の度胸を感じました。なにより、コロナ禍の中でやりきれなかったことを自らが実現するという、彼女たち自身の切実さを感じた点がもっとも評価したいと考えた点です。

🦑劇団愉快犯 による推薦:劇団,白薔薇
劇団愉快犯は、劇団,白薔薇を心から推薦いたします。
身近なテーマを丁寧に組み立てる、構成の美しさに感動しました。写実的な表現のクオリティが高く、演劇ならではのリアリティに引き込まれました。
特に印象的だったのは、舞台の展開と煙の演出が絶妙に呼応していたことです。煙が立ち上る様子が西部講堂の空間と不思議なほど調和していて、演出家の感性の鋭さを感じました。舞台上に描かれていない世界までもが見えてくるような奥行きがあり、物語の広がりを想像する楽しみも味わえました。
そして何より、ラストシーンの余韻が素晴らしかったです。劇場を出た後も、あの場面の意味をずっと考え続けてしまう、そんな体験ができる作品でした。

🦑京田辺、演劇ないん会 による推薦:演劇ユニット くじら74号
テーマの設定が秀逸で、強いメッセージ性があった。時間軸が段々と現在、ひいてはこの演劇祭に関連していくという点で、このイベントで公演をする意味があるなと感じた。小道具の使い方も秀逸で、効果的な演出が行われていたと感じる。

🦑灯座 による推薦:劇団深夜特急
「いかに」という今年のコンセプトを強く感じられた。コントの完成度が高く、ヤバ太郎というキャラクターが秀逸でとても面白かった。各々からコントが好きという想いが感じられ、その想いがこの作品をより良いものにしていると感じた。

🦑劇団,白薔薇 による推薦:演劇ユニット くじら74号
京都学生演劇祭の各団体の作品を見て一番心が動かされた作品が演劇ユニットくじら74号さんの「瀬戸内レモンサワー」だった。
中でも演出と脚本が非常に良かった。
紙がなにかに変わる演出は演劇ならではの表現でとても面白かったし、京都の地で原爆の話を上演する意味、演劇をしている等身大の学生達の姿を描いていたりなど京都学生演劇祭でやる価値の非常に高い演目だったと考える。

🦑劇的集団忘却曲線 による推薦:劇団,白薔薇
とにかく演技のリアリティが凄かった。ただ登場人物が淡々と会話しているだけなのにその世界に没頭してしまう心地よさと緩急から来る震え、全てが調和してただそこに演劇の空間があるのではなく客席なのにその世界から見ているような気持ちになり、とても引き込まれた。


 

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