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KSTF2020

​京都学生演劇祭2020の歩み

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 記念すべき10回目を迎える今年の京都学生演劇祭は、さらに次の10年に向けて新たな価値を創造する勝負の年と位置づけ、2019年12月から取り組みを進めてきました。他方で、新型コロナウイルス感染症が世界的な広がりをみせ、本演劇祭も多大な影響を受けることとなりました。

 「10回目」と「新型コロナウイルス」という2側面から京都学生演劇祭2020の歩みをまとめます。

<記念すべき10回目の開催>

 過去の参加者の中には、演劇祭を機に活動を始め、その後活躍の場を全国に広げる者も出てきており、京都学生演劇祭の意義は年々高まっているといえます。10回目を迎える今年は、これまでの10年間を引き継ぎ、さらに次の10年に向けて新たな価値を創造すべく取り組んできました。今年の特色は以下のものです。

  • 学生劇団では予算規模・スタッフスキル・活動実績的に利用困難なTHEATRE E9 KYOTOへと今年は会場を移す。

  • THEATRE E9 KYOTOとの協賛企画を新たに設け、参加団体には「来年度の会場無料使用権付与」の機会が与えられる。

  • より多角的な評価を可能にするため、審査員の数を3名から5名に拡大し、京都外からも招聘。具体的には、谷賢一氏(第64回岸田國士戯曲賞受賞、作家/演出家/翻訳家、東京)、野村眞人氏(利賀演劇人コンクール2018優秀演出家賞受賞、演出家)、野村有志氏(「CoRich舞台芸術まつり!2018春グランプリ」受賞、劇作家/演出家/俳優、大阪)、藤井颯太郎氏(第4回せんだい短編戯曲賞受賞、作家/演出家/俳優)、森山直人氏(京都芸術大学教授、演劇批評家)。

  • 全国学⽣演劇祭(2021 年3 ⽉、札幌にて)の京都からの出場枠が2枠に拡⼤(昨年度、京都代表「睡眠時間」が大賞を受賞したため)。

  • 学⽣のスキル向上を⽬指し、プロのスタッフによるワークショップ(制作、照明、音響、舞台監督)を開催。

  • エキシビション枠として、過去の出場団体であり現在も精⼒的に活動を続ける劇団なかゆび(京都学⽣演劇祭2016審査員賞受賞、第2回全国学⽣演劇祭審査員賞受賞)による特別上演。

 その他、恒例の人気企画「学生演劇ドラフト企画」や、中止にはなってしまいましたが劇団速度との関連企画など、例年以上にグレードアップした取り組みを進めてきました。

 「コンペティション」と「フェスティバル」という2つの側面をもつ本演劇祭に、学生時代で演劇を辞めてしまう人から卒業後も継続して演劇を続けたい人まで、さまざまな学生が集まって、演劇祭を盛り上げていきたいという思いが根底にあります。

<新型コロナウイルス感染症の影響>

 京都学⽣演劇祭も新型コロナウイルス感染症の影響を多⼤に受けました。​

​ 3月31日時点で上限である15の団体から応募を受けましたが、5⽉までに9団体から参加の辞退があり、関連企画も中⽌や変更を余儀なくされました。二次募集を経て残った8団体で話し合い、客席数を半分以下に減らして開催するはずだった計画は、7⽉以降の感染症第2波を受け、悩みながらも無観客配信公演への変更を決断しました。

 この期間、劇場スタッフや運営スタッフといった⼤⼈たちからの意⾒も頂きながら、学⽣たちで何度も協議を重ねました。世の中がどうなろうと「学⽣」という時間は待ってくれません。この先、演劇祭を機に演劇を辞める⼈もいるかもしれません。この先、演劇祭を機に演劇を続ける⼈もいるかもしれません。それでも今、無観客であろうとも、私たちは作品を上演することを選びました。

 とても残念なことに、本番が近づく8⽉末に、これまで⼀緒に進めてきた1団体が参加を辞退する運びとなりました。8⽉中旬から体調不良者が出たため、全員で集まって稽古を進めることができず、その状態で9⽉初旬に上演することはできない、という理由からの判断でした。5⽉の時点で参加辞退を決めた団体もその理由は団体によってさまざまで、どの判断も正しいものだったと思います。

 「10回目」「新型コロナウイルス」。こうした中で、残った私たちがどのような作品を作り、どのような京都学生演劇祭2020を作っていくのか。

 学⽣ならではの演劇が関⻄中から集結します。もしよろしければ、この演劇の夏祭りを是⾮お家で楽しんで、そして一緒に盛り上げていただけたらと思います。

​京都学生演劇祭実行委員会

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